こんにちわ。助産師まあみいです。
寒い日が続きますが、皆さんお元気でしょうか?
今回のお話は、新生児訪問でご質問の多い、「赤ちゃんのミトン」についての情報です。
寒くなると、赤ちゃんの環境に気を遣いますよね。赤ちゃんの手が冷たい、顔をひっかく等、ミトンをつける理由は様々です。さて、そのミトン、正しく使えているのでしょうか?
赤ちゃんの特徴
赤ちゃんの自然な姿勢は、腕がW字型、足はM字型が基本となっています。これは、伸ばす筋肉よりも曲げる筋肉が強い為と言われています。生後3~4か月ごろまでは、寝ている時もこの姿勢を保つので、お布団から手が出てしまいます。また、1歳未満では、体温調節が未熟な為、外気温と共に体温が上下するので、環境や衣服に気を付けて、体温調節をする必要があります。
手が冷たい=寒い?
人は眠い時、脳と身体を休めてぐっすり眠れる様に、深部体温を下げようとします。その際、手や足の末梢から熱を発散する為、手足は温かくなります。それとは反対に、起きている時は身体の中心の臓器を守る為、深部体温を上げようとします。その際に、手足の血管は収縮し、冷たくなります。つまり、手が冷たいから寒いということではなく、手で体温調節をしているということになります。
とはいっても、ほんとに寒い時、身体も冷えている時があります。特に、話すことが出来ない赤ちゃんの場合、周囲の人が、体温調節の為の手の冷たさなのか、低体温なのかを判断していかなければいけません。
あたため過ぎに注意
手や足で体温を発散している際に、ミトンや靴下を使用していると熱が体内にこもり、体温が上昇します。その際、身体は体温を下げようと汗をかくので、冬でもあせもが出来ることがあります。
欧米では、衣服の着せすぎが自律神経のアンバランスをきたし、呼吸機能障害を起こし、乳幼児突然死症候群(SIDS)の誘因になることがある。 *厚生労働省 SIDS診断の為の問診・チェックリスト記入要領より引用
赤ちゃんが冷えていないか
赤ちゃんは暑い、寒い等の不快症状があれば、泣いたり機嫌が悪くなります。
身体が冷えていると、末梢の手足だけでなく、体表面の毛細血管が収縮するので、顔や手足が白っぽくなります。赤ちゃんの平均体温は、生後何ヵ月かの時期によりますが、36.5~37.5℃です。36.5℃以下になると、冷えている可能性があります。また、測定しなくても、背中を触って、体幹温度が冷たくないか、汗ばんでいないかで判断することも出来ます。
快適な室温と過ごし方
東京都福祉保健局が公開している「健康・快適居住環境の指針」によると、冬の室温は20~25℃(湿度50~60%)、夏は外気より5℃低い室温が目安とされています。
しかし、赤ちゃんは、泣いたり、授乳時には体温が上昇する為、室温はあくまでも目安と考えて、こまめに背中に触れ、体温をチェックしましょう。また、寝入りはじめには、前述したとおり、身体の熱を放散し、汗をかきやすい為、布団の掛けすぎにも注意したいです。
赤ちゃんの寝具で私がおすすめするのは、スリーパーです。スリーパーは、例え布団を蹴ってしまっても、体幹は保温することができ、寝入りはじめにはスリーパーだけで充分だと思っています。私の子ども達はみんな、私の手作りスリーパーを着て育ちました(手芸は苦手ですが…)
簡単スリーパーの作り方
2.両端をそれぞれ縫う(腕の部分は開けておく)
3.輪の部分の真ん中をくりぬき、パンツのゴムが通せるように縫う。
4.首が苦しくないように調節したゴムを通す。
発達とミトン
赤ちゃんは生後2~4か月ごろになると、自分の手をじっと見つめ、手を口に入れて舐めたり、手を合わせて遊ぶという行動をします(時期や遊び方には個人差があります)。この行動を、ハンドリガードといいます。口に入れたり、舐めたりすることで、手と口が連動し、自分の身体の一部だと認識する脳の発達過程のひとつです。ミトンをすることで、この発達過程を阻害することはありませんが、ミトンをしていても手を舐めるので、ミトンがよだれで濡れます。濡れたままのミトンは雑菌が繁殖し、衛生的ではありません。また、ミトンが古くなると、ミトンの糸がほつれて指に絡まるという事故も報告されています。
しかし、皮膚科的な、かきむしり予防という医師からの指示だったり、寒い日の外出時などミトンが必要となる場合もあるでしょう。その際は、ミトンの利点と欠点を考えて、上手くミトンを使って下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント