こんにちわ。助産師まあみいです。
今回の子育てに役立つ情報は、子育ての今昔についてです。
新生児訪問にお伺いすると、祖父母世代の子育ての常識と今の子育ての常識が変わっていて、戸惑っている祖父母とママパパ達。こんなにも情報が溢れていて、変わっていることが分かっているけど、何故なのか理由がわからなくて納得出来ない様です。
今回は、ご質問が多かった、赤ちゃんの沐浴後の湯冷まし、てんかふん(天花粉)について、書いていこうと思います。
湯冷ましが始まった理由
赤ちゃんに白湯を与えるようになったのは、昔の育児用ミルクの成分と、水の衛生状態の問題が関わっていたと言われています。
以前の人工乳は牛乳と成分が似通っており、たんぱく質やミネラルが多すぎて、赤ちゃんにはとても濃すぎたのです。そこで、それを薄めましょうという目的と、湯上りがいいだろうという大人の感覚も手伝ったのでしょう。湯上りを選んで湯冷ましを与えるという習慣ができあがりました。一般社団法人 日本母乳の会より引用
更に、昔の家庭は井戸水を使用していた為、赤ちゃんに井戸水を飲ませて下痢をしてはいけない、ということで、水を煮沸消毒するという習慣が生まれました。それを冷まして与えていたのが湯冷ましのはじまりです。
沐浴後は湯冷まし?
離乳の開始前の子どもにとって、最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)であり、離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与えることの栄養学的な意義は認められていない
これは、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」に書かれている、離乳の支援の方法についてです。つまり、離乳食が始まるまでの乳児の水分補給は、母乳か育児用ミルクが最適です、と書いてあります。
母乳や育児用ミルクの90%は水分です。さらに、乳児の発育に必要なたんぱく質、脂肪分、ビタミン、ミネラルが含まれています。白湯を飲むことは、母乳やミルクの一部が置き換えられるということになります。水分の取り過ぎは腎臓に負担をかけることになります。同じ水分補給と考えるなら、栄養のある方がいいよね、という考え方が今の主流となっています。
てんかふん(天花粉)の効果
おふろあがりのお肌に、パタパタと白い粉、真っ白になった身体、天花粉のいい香り…
昭和の家庭での風景ですね(もちろん私も経験済み)
天花粉、又はベビーパウダー、シッカロール(商品名です)と呼ばれる、この粉の成分は、製品ごとに少しずつ違いはあるようですが、「タルク」「コーンスターチ」が入っているのは共通です。
効果としては、肌の余分な水分を吸い上げて、肌表面の水分や熱が放出され、肌をさらっと乾燥させるという働きがあります。
そんな天花粉ですが、今はあまり使われなくなりました。天花粉が赤ちゃんに良くない、ともいわれています。もちろん、今も販売されていますし、使ってる方もいます。
さて、天花粉とどう付き合っていけばよいのでしょうか。
ベビーパウダーとの付き合い方
1987年、とあるメーカーのベビーパウダーの原料に使われるタルクの中に発がん物質である、アスベストが混ざっていたという報道がありました。もちろん現在は厚生労働省で定められた方法に基づいた品質検査が実施されていますので、その様なことはないのですが、当時は社会問題となり、べビーパウダーのイメージが悪くなりました。
天花粉は正しく使用すれば、おむつかぶれや、あせも予防に効果があります。最近は大人でも、お化粧やスキンケアにベビーパウダーを使用する人がいる様です。
ただ、誤った使い方や付けすぎ等で、肌荒れやあせもが悪化してしまうことがあります。
ベビーパウダーは付けすぎると汗腺を塞ぎ、皮膚トラブルの原因となります。また、汗などで湿ったベビーパウダーをそのままにしていると、菌が繁殖し、皮膚トラブルの原因となります。
また、ベビーパウダーは粒子が細かい為、吸いこむと気道の粘膜に付着し、何かしら影響があるかもしれないと言われています。
ピジョン株式会社のHPではベビーパウダーについて下記のような注意書きがありました。
パウダーを吸い込まないように、ご注意ください。上半身には固形パウダー、下半身には粉末パウダーをおすすめします。万が一ベビーパウダーを吸い込んだ場合は、すぐに医療機関へ相談、受診をお願いしています。 ピジョン株式会社のお客様サポートのQ&Aより
まとめ
天花粉の使用の際には
- 乾いた肌に使用する
- 濡れたらふき取る
- 適量を守る
- 吸い込まないように注意する
- メーカーの指示通りに使用する
以上、用法を守って、部分使いなどで、上手く天花粉と付き合っていけたら良いですね。
また、赤ちゃんの肌の角質層は、大人の1/2~1/3といわれ、皮脂の分泌量は成長の時期により変化しますが、外部からの刺激により、皮膚トラブルをおこしやすく、乾燥しやすいです。肌全体には、基本的に、保湿剤を塗って、肌のバリア機能を高め、刺激から守ってあげましょう。
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