こんにちわ。助産師まあみいです。
今回のお話は、出産にまつわる方々に役立つ情報です。
初めての出産を迎える妊婦さんから、出産の相談を受けると、多くの方が「陣痛が怖い、不安です」と言われます。また、産後のママからは「陣痛が痛すぎて、2人目なんて考えられない」という声をよく聞きます。
本当に陣痛って、そんなに痛くて怖いものなのでしょうか?
陣痛って何?
昔から、陣痛は「鼻からスイカが出る痛み」とか「男性には耐えられない痛み」「腰をバットで殴られる」等、色々な表現で例えられてきました。これだけ聞くと、確かに、想像つかないくらい恐ろしく感じますよね。
実際に陣痛を経験したママ達は、陣痛をこう表現しています。
・お腹や腰が壊れそう、破れそう、裂けそう
・下腹部に下痢の何十倍の濃さ
・普通の腹痛
・生理痛の強い痛み ・・・等、人によって感じ方は様々なのです
陣痛の種類
陣痛は何かとひとことで言うと、子宮の筋肉の収縮です。
そして陣痛には、前駆陣痛、本陣痛、後陣痛の3種類があります。
読んで字の如く、前駆陣痛は本陣痛が始まる前に起こる陣痛で、本陣痛の予行練習的な陣痛といわれています。「陣痛来た!」と思っていたら、すぐに消えて、そのまま何日も経過することがあります。
後陣痛はお産が終わったあと、子宮が妊娠前の大きさに戻ろうと収縮するために起こる陣痛です。経産婦さんは後陣痛を強く感じる事が多いです。この収縮が上手くいかないと、産後の出血が多くなり、命にかかわることもあります。
ここでいう陣痛とは、赤ちゃんを出産するのに必要な陣痛、本陣痛のことをいいます。
陣痛は怖くない
陣痛は子宮を収縮させて、赤ちゃんを体外に押し出す役割をしています。つまり、陣痛が無ければ、出産出来ないということになります。出産において、陣痛は無くてはならないものなのです。
さらに、その陣痛を引き起こすのに無くてはならないもの、それがホルモンです。
お産に関係するホルモンは、オキシトシン、エンドルフィンの2種類が代表的です。
ホルモンを味方につけよう
幸せホルモンオキシトシンと脳内麻薬エンドルフィン、この2種類のホルモンはお産の最強の味方です。このホルモンを上手く出せる事ができれば、誰でも幸せで、痛みをあまり感じないお産が出来るということになります。
つまり、「怖い、怖い」と思って、身体を緊張させてしまうと、アドレナリンが分泌され、身体が闘争モードとなり、全身の筋肉、子宮の筋肉も固くなり、お産が進まず、痛みも強く感じてしまうことになります。さらに、長引くお産は、身体の疲労も蓄積され、お腹の赤ちゃんへの負担も多くなります。
10年くらい前に、シンガーソングライターのMINMIさんが、自身の出産体験をもとに「痛くない奇跡の出産法」を公表されて話題になりました。その方法とは、自分の身体だけを中心に考えるのではなく、赤ちゃんの目線になって、赤ちゃんの気持ちに寄り添う、というソフロロジー法に基づく分娩方法です。赤ちゃんや出産を落ち着いてイメージすることにより、上手くホルモンの分泌を促す事が出来たんだと思います。
陣痛と上手く付き合うには
そんなことを言っていても、実際、陣痛が始まると、痛くてパニックになるかもしれません。前述した通り、痛みの感じ方はひとそれぞれです。
陣痛の心得
・陣痛と陣痛の間には必ず休憩が入ります。その間、痛みはありません。エンドルフィンの作用で、休憩の間、寝てしまうこともあるくらいです。休憩を楽しみにして、1回1回の陣痛の波を乗り切りましょう。
・陣痛の波が来た時には、赤ちゃんをほめて、共に頑張る。
・オキシトシンは、マッサージなどのスキンシップで分泌が促進されます。お産に立ち合うパパやおばあちゃんの出番です。
とにかく、陣痛を身構えないこと!
どんなに大変な出産だったとしても、出産後の1時間の間にエンドルフィンが爆発的に分泌され、ママを幸福感で満たし、鎮痛の働きをしてくれます。出産後、我が子の顔を見たら痛みや疲れが吹っ飛んだというのは、実はエンドルフィンが活躍してくれているんです。
だから、陣痛を忘れることが出来て、2人目、3人目、4人目と出産が出来るんです。
ほんと身体って上手くできていますよね、ありがたいです。
自分の身体を信じて、陣痛を怖がらずに、気持ちのいいお産を迎えて下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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